このたび藤元登四郎氏の小説、祇園「よし屋」の女医者のフランス語 (Le destin de Tsukie) 版刊行を記念し、日仏経済交流委員会(CEFJ)は、精神科医であり作家でもある藤元登四郎氏をお迎えする特別な夕べを開催いたします。当日はリシャール・コラス氏、舞妓のキクシズ氏、そしてその「ママさん」である芸妓・サチコ氏とともに、祇園という花街の世界をひもときながら、日本における近代精神医学の黎明期についても語られます。民間信仰、医学、伝統芸能、そして文学が交錯するこの夕べは、日本史の転換期を新たな視点から見つめ直す機会となり、そこで問われる数々の問いは現代にも通じるものです。
藤元医師は東京大学卒業後、九州で精神科医として活躍し、五つの精神科病院を設立するなど、豊かなキャリアを築いてきました。しかし幼少期から抱き続けてきた芸妓・舞妓の世界への情熱を捨てきれず、60歳を機に京都へ移り住み、この世界に専念することを決意します。そして今では、その分野における第一人者として広く知られる存在となりました。最新作は、このたびジャック・ラロー氏の翻訳により、Éditions d’Est en Ouest社からフランス語版として刊行されました。
藤元氏に同行するのは、タサキ社長であり、シャネル・ジャパンの元代表でもあるリシャール・コラス氏です。コラス氏は本作の序文を執筆した縁から、藤元氏をフランスへと招きました。また、本物の舞妓であるキクシズ氏と、そのママさんであり、京都でお茶屋を営む芸妓のサチコ氏も同行します。
当日のプログラムは、まず藤元登四郎氏による京都の花街の歴史と、現代日本社会における芸舞妓文化の意義についての講演から始まります。続いて、リシャール・コラス氏と藤元氏による本作をめぐる対談が行われ、その後、招待された芸妓による二十一世紀における芸妓の暮らしについてのお話が続きます。さらに、イザベル・ニシカワ氏による Éditions d’Est en Ouest 社と本作の紹介、伝統舞踊の披露、サイン会、そして日本式のカクテルパーティーへと続きます。
書籍紹介

本作は、十九世紀初頭の京都、祇園を舞台とした物語です。茶屋文化や伝統芸能、そして近代医学の黎明期が交錯するなかで、物語は茶屋で働く一人の娘、月江を追います。聡明さと観察力に恵まれた月江は、狐憑きと信じられていた若い女性の治療に携わることになります。藤元登四郎氏はこの月江の物語を通じて、信仰と科学の境界、精神疾患への眼差し、そして知識の変化とともに社会がどのように変わっていくのかを問いかけます。これらの問いは、現代においてもなお強く響くものです。
当日会場では、本書を20ユーロで購入いただけるほか、藤元氏によるサイン会も行われます。









