世界各地を訪れ、その国の神話、土着的な信仰や儀礼などのイメージをダンスに取り入れ、肉体と精神の相克をダンスのなかに映し出してきたダミアン・ジャレと、様々な素材や技法を駆使し、イメージと物質性を両立させながら、有機的な世界観を彫刻やインスタレーションで表現してきた名和晃平。坂本龍一と原摩利彦の音楽に、合わせて7人のダンサーの肉体と自然の融合に挑みます。
Göteborgs Operans Danskompaniなどの企業からの注文、Sidi Larbi CherkaouiまたはGilles Delmas監督とのコラボレーションなどの経験を経てダンサーであったのダミアン・ジャレは、人気の振付師になりました。『 VESSEL 』は、2015年に京都の九条山に滞在した際に、先見の明のある彫刻家名和晃平との出会いから生まれました。「彫刻とダンスはどちらも、人間の情熱の受け皿としての身体に関わっている」とダミアン・ジャレは述べました。二人は本プロジェクトを通して、生と死、大地と生命の循環、その全てのバックグラウンドとなる「Vessel」(器、船)を本作の基本概念と位置づけ、気体・液体・固体に至る物性の幅を有する舞台美術と、動的に「態」を変え続けるダンサーの肉体との融合に挑みます。ダンサーの頭部を常に隠す特徴的なポーズは、人とも何ともいえない「何か」の存在を示唆し見る人に非日常を感じさせます。その彫刻的な身体表現を通して描かれる世界観は、舞台という一つのジャンルを超え、今後もさまざまなフィールドでの展開が期待されます。坂本龍一と若手作曲家の原摩利彦の音楽により、親密で官能的な物を作りあげています。
料金 : 8 € à 38 € | 28歳未満 : 13 €