ルネサンス・フランセーズ日本代表部はパリのセーヌ河岸で進行中の日本の情熱的な建築プロジェクトをパリからも生中継でお届け。そのプロジェクトとは15年の年月をかけた「アジール・フロッタンの復活」。ルネサンス・フランセーズでは当プロジェクトを支援しており、オンライン講演会を開催。
12月16日(水)日本時間19時(フランス11時)よりライブ配信 下記リンクにアクセスして下さい。 (参加 無料 ) / Mercredi, 16 décembre de 11h à 12h (gratuit), pour regarder l’émission en japonais, veillez cliquer le lien suivant.
https://m.facebook.com/RFJapon/
20世紀の生んだ世界的建築家ル・コルビュジエによって難民避難船にリノベーションされ水没していたアジール・フロッタン(船名ルイーズ・カトリーヌ号)が10月19日、ついにセーヌ川に浮かび上がった。2018年2月のセーヌ川洪水により水没、2019年の黄色いベスト運動によるパリ市内騒乱、2020年になってからの新型コロナ・パンデミックの影響で引上げ作業が遅延した。コンクリート製の平底船ルイーズ・カトリーヌ号、のちのアジール・フロッタンが今、再びその勇姿を表した。建築家であり神戸大学教授の遠藤秀平氏が15年間情熱をかたむけた世紀のプロジェクトが一歩完成に近づいた。
それは、日仏の建築交流の証であるアジールフロッタン を文化遺産として未来に引き継ぐこと。15年をかけ消滅の危機を克服しましたが、今後の第二ステージはオリジナルデザインに復元し、建築やデザイン領域のパブリックギャラリーとしてオープンすることが目標となる。
1915年に私たちの団体「ルネサンス・フランセーズ」が戦火の中で誕生した、同じ年代の1919年にこの平底船が建造されたのも偶然ではない。第一次世界大戦のためドイツ占領下のロレーヌ地方とドイツ・ルール地方からの石炭供給は途絶え、英仏海峡を渡って届いてくる石炭の補給基地ルーアン港からセーヌ川を通ってパリまでの鉄と石炭の運搬を担ったのがこのリエージュ号、いまのアジール・フロッタンである。戦後にその役割を終えて、パリ市内に多くいた戦争難民を収容するために活用された。
戦争終結と世界平和を構築することはロレーヌ出身の当時の第3共和国ポワンカレ大統領が1915年に創設したルネサンス・フランセーズ(RF)の目標と同じである。RFとアジール・フロッタンは歴史上、密接に関係していたのです。
しかしこの長さ70メートル、幅8メートルの平底船には欠かせない2つの桟橋を無償で製作をお引き受けいただいたステンレス加工のアロイ社の西田光作社長のご貢献なしには引き上げ後の第2幕は成立しない。現在アントワープ港に保管されている桟橋がついに活躍するときがやってきた。そして名著「ル・コルビュジエの浮かぶ建築」の翻訳や、この日々の観察と現地当局とのコンタクトの労を取って頂いているパリ在住の古賀順子氏を忘れてはならない。
生き返ったアジール・フロッタンは「公共性に繋がるような物理的空間」(アンナ・アーレント)、あるいは「ひとびとの間の協調的行動を容易にする信頼と規範とネットワークの社会関係資本」(ピール・ブルデユー)としてパリで活躍するものと期待される。
プログラム
写真と映像の上映
講演 神戸大学大学院教授 遠藤秀平
挨拶 株式会社 代表取締役社長 西田光作
挨拶 通訳・翻訳家 古賀順子 パリから生中継
司会 ルネサンス・フランセーズ日本代表部会長 瀬藤澄彦
終了後 ネットワーキング(質疑応答)
主催 ルネサンス・フランセーズ日本代表部