フランスの芸術工芸は、6万社を超える企業、15万人以上の職人、そして281種類もの正式に認められた職種が存在する、経済力に重要な位置をしめる分野です。それは、高い創造性と活気に満ち溢れ、個々の職人の才能によって支えられている世界です。フランスの豊かな文化と多様な技術を象徴する、まさに生きている遺産と言えるでしょう。

しかし、こうした重要な分野であるにもかかわらず、フランスの芸術工芸はいくつかの課題に直面しています。まず、明確な産業構造が確立されていないため、国内外での認知度が低いという点が挙げられます。

このような状況を踏まえ、フランス政府は、2023年から2025年にかけて、3億4000万ユーロの予算を投入。芸術工芸分野の保護と発展のための新たな国家戦略を打ち出しました。そして2025年までに、EPV(フランスの生きた職人企業*)の認定企業数を2500社に増やすという目標を掲げています。(*日本の「人間国宝」にヒントを得た概念です)


フランスの芸術工芸品、日本市場への進出を支援

フランス政府は、芸術工芸分野の振興を目的とした国家戦略の一環として、フランスの芸術工芸品企業の日本への輸出を支援するプログラムを立ち上げました。

このプログラムは、フランス経済・財務・産業及びデジタル主権大臣と文化大臣が主導。一部は国が費用を負担します。目標は400から600社の芸術工芸品企業が、海外展開できるようにすることです。

中小企業・商業・手工業・観光担当大臣は、ビジネス・フランス(貿易投資庁)に依頼。日本の市場におけるフランスの芸術工芸品、特に家具、装飾品、テーブルウェアの潜在的な需要と参入障壁に関する調査を実施しました。この調査結果は、フランスの企業に無料で提供されています。

2025年7月初旬には、パリ・イルドフランス商工会議所とビジネス・フランスが共同で構成するTeam France Exportが、東京と大阪で日本への輸出支援ミッションを計画しています。在京フランス大使館と大阪万博の会場で「フランス式ライフスタイル」をテーマにした展示会を開催。フランスの芸術工芸品の魅力を発信します。

参加条件や詳細については、以下の担当者にお問い合わせください。

マチルド・ベンドラー氏

国際顧問

携帯電話:+33 (0)6 59 74 07 13

[mbendler@cci-paris-idf.fr


写真提供: ymer&malta |オービュッソンタペストリーの「偉大なる貴婦人」コレクション (オービュッソン国際タペストリー協会)
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