デジタル化の下、政府は、データマイニングにより、これまでにない研究手段を手に入れることになった。近年、研究者から政治家まで、エビデンスに基づく政策決定(EBPM)を使う傾向にある。EBPMとはつまり、具体的なデータに基づいて政策や法案を作るというものだ。
政治分野におけるデータ活用の専門家、成田悠輔氏は「有名校に教育効果なし?EBPMで暴く残念な真実」と題した記事で疑問を呈した。
コロナ禍によって、日本の教育システムは、新たな段階のデジタル化を余儀なくされた。(集められた)データを見てみると、デジタル化が実際に機能しているかという点についていくつかの結論を導き出せるはずだ。にもかかわらず、現時点では、その点を分析するのは難しく、成田氏は米国のデータを使用する方が望ましいという。
成田氏はとりわけ、日本同様、優秀な高校や大学は入学希望者を篩にかけていることを指摘。入学試験に合格した生徒や学生は、その高校や大学で勉強を始める前から、入学時点ですでに非常にレベルが高く、したがって、成田氏は、学校自体が優秀なのではなく、学校が集める生徒の能力が優秀なのだと結論づけている。
日本の有名校が実際にどの程度有効なのかという点について、日本のデータでは目下、明らかにできない。しかしながら、イエール大助教授である成田氏は、データ不足は弁明に過ぎないのではないかと推察する。というのも、関係者はさしあたり、学校側の言い分だけで満足しているはずだからだ。その言い分を検証する必要がないだろうか。
出典:東洋経済3月19日号90-91ページ
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