動物愛護の分野で現在のフランスの状況と法律の規定についてより知るため、元SPA(動物保護協会)会長で、パリ弁護士会弁護士のカロリーヌ・ランティ弁護士に話を聞いた。

フランス人のペット所有率は日本よりもずっと多い。歴代のフランス大統領の多くが犬の飼い主であるほか、統計によると、平均してフランス2世帯に1世帯で犬か猫が最低一匹飼われている。日本と違い、マンションの賃貸契約や管理規約でぺットの保有を禁止することはできず、法律でペット保有の権利が認められており、誰でも、どこに住んでいてもペットを飼うことができることも一つの理由である。

一方、ペットを飼う権利が全ての人に認められていることから、子供のおもちゃとして犬猫を飼い、数年して手間費用がかかるという理由でペットを捨てる飼い主も多い。 こうした状況の中、フランスでは数多くの動物愛護団体が国内各地に保護施設を有し、施設で引き取られた動物たちの里親探しを積極的に行なっている。

またこうした動物愛護団体のいくつかは、日本円にして数億円から数十億円規模の年間予算を有し、犬猫の密輸や虐待の犯人に対する告訴手続きや、動物愛護法の制定を国会議員に呼びかけるロビー活動も専門家を交えて行なっている。

この数年フランスでは、数多くの動物愛護団体による啓蒙活動、特にインターネット上のビデオ映像による畜産動物の虐待現場の告発により、動物愛護の問題は国民の大きな関心を呼び、2022年の大統領選ではほぼ全ての候補者が動物愛護に関する政策を打ち出している。 (以上、クラレ・レガル総合法律事務所訳)

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